Jim Nishimura Web site
調査報告書
「10年前の大規模補修工事で何が起ったのか?」

報告者 手塚正治   2008年9月6日
第2 調査結果
1. 戸田建設単独受注の経緯

1.1 再入札前の戸田建設との関係
 平成9年4月,第2回補修工事の請負業者を選定するため,平成8年度理事会は,入札資格業社を4社(戸田建設,前田建設,新井組,柏原塗料)に絞って「入札」を行った。
 その後,理事会は,戸田建設にのみ,この4社入札価格の中で最低価格を提示した前田建設の受注価格;9億5千万円を事前に知らせてこれに合わせるよう見積修正を求めた。しかし,戸田側はこの理事会側の要求を断り,その代わり「一括受注」と「仕様変更(屋根断熱材施工を断念)」を条件にすれば受け入れると回答した。
 そして,理事会は,再入札資格業社を戸田建設と大成建設の2社に限定し,残り3社(前田建設,新井組,柏原塗料)はこの2度目の再入札から除外された。
 そこで5-2-101西村肇氏は,理事会とは別に単独で上記再入札を外された3社に対して,「一括受注」と「仕様変更」を条件に,改めて再見積もり依頼した。その結果,正式文書で回答された見積額は,柏原塗料が8億6千万円,新井組が8億2千万円であった。
 西村氏は,臨時総会(平成9年5月25日)の場でこのことを発表したが,逆に補修委員会からは管理組合組織を無視した勝手な行動でありそれら価格は信用できないとやじり倒された。上記補修工事入札手続の経過フロー図(西村氏メモより)を図3-3に示す。

(補注)
 これは平成8年度理事会と補修委員会が画策した戸田建設との談合と評されうる事態である。

(関連資料)
 ・資料1;ふれあい 補修工事ニュースNo.10(補修工事説明会5月10日)(H.9.5.21)
 ・資料2;補修工事臨時総会(H.9.5.25)議事録・・・(西村氏の質問に対する大川補修委員長の回答)

1.2 五月社(コンサルタント会社)との契約を解除
 平成8年度理事会は,平成8年9月26日補修工事委員会が推薦する共同設計五月社(社長;三木氏)を補修工事のコンサルタントとして正式に契約した。三木氏と契約した主な理由は,12年前の第1回補修工事時のコンサルタントの経験があること,実績・能力的に優れていること,そして何よりもたまプラーザ団地の補修に情熱を持ち信頼できる人物であることを挙げている。

 ところが翌年の平成9年9月に,メンバーが交代した補修工事実行委員会は,五月社との契約継続を破棄する決定を下した。理由は,@補修工事臨時総会での戸田建設見積単価を無断で変更したこと,A屋根補修工事に実績のない新方法を提案していながらこれを設計保証しないこと,B塗装工事に使用する材料(塗料)選択が間違いであり保証期間が短過ぎる(2年)ことを挙げて,五月社にはコンサルタント会社として誠意がなく信用できないというのである。

(補注)
 上記@の見積単価の変更は,戸田側にも「責任」があるが何故かこちらは追求されていない。
 実行委員会の議論の中でも屋根仕様をめぐって五月社の提案する仕様は「不適切である」と度々発言され,五月社を補修工事の監理から外そうとする考えが日増しに増大していった。戸田建設幹部と一部の理事(宮崎副理事長)及び一部の補修工事実行委員(奥村・山田副委員長ら)の間で,日出谷理事長を辞任させ,五月社(三木氏)を補修工事から排除するよう画策したとすれば遺憾と言わざるを得ない。

(関連資料)
 ・資料3;補修工事に関する事項談話会議事録(H.9.6.30)
 ・資料4;第4回補修工事実行委員会議事録(H.9.7.15)
 ・資料5;第5回補修工事実行委員会議事録(H.9.7. 17)
 ・資料6;第11回補修工事実行委員会議事録(H.9.8.30)
 ・資料7;管理組合ニュース ふれあいNo.180(H.9.10.29)
    <補修工事中間報告2>

1.3 CM方式を取らず戸田責任施工方式を決定
 平成9年8月末,五月社との契約継続を破棄する決定を行った後,それに代わる監理会社を選定しなければならない。そこで補修工事実行委員会は,アメリカで導入されたCM(Construction Management)方式について専門家と言われる団地内5-3山森氏,2-5斉木氏,番場氏から説明を受けての勉強会を実施した。そして今回の外壁塗装で意見して頂いた塗装工事の専門家である3-4足立さんから紹介された一級建築士の道氏(日本建物保全研究所)を監理者に選定するかどうかが議論された。

 これら議論の中で戸田建設と価格交渉を実施してきた奥村副委員長は,品質保証の面で国際規格ISO-9000の認証を収得している戸田建設は,十分信頼に値するからあえて別に監理会社を雇う必要はないと主張した。補修工事実行委員会(出席者9名)は採決の結果,CM方式を賛成する者3名,戸田責任施工方式を賛成する者6名で,戸田責任施工方式を正式に採用した。このとき西村委員長は専門家がいない監理には委員会として責任が取れないとの理由から委員長辞意を表明した。(平成9年10月19日)

 (注)監理会社を設置することは,平成8年度補修工事委員会からの基本方針であり,5月の臨時総会での承認事項であった。しかし,実行委員会は組合員の意見を聞かず少人数(出席者;9人)の委員会採決(CM方式賛成;3名,戸田責任施工方式賛成;6名)でこれを覆した。

(補注)
 このことが結局,実際の平成10年度補修工事の段階において多くの組合員に対して思わぬ犠牲を強いることになるが,この段階ではそのことに気づくものは無かった。

(関連資料)
 ・資料7;第17回補修工事実行委員会(H.9.10.19)議事録
 ・資料9;管理組合ニュース ふれあいNo.181;補修工事中間報告3(H.9.11.26)

 図3-3【補修工事請負業者入札の経緯】


hajime@jimnishimura.jp