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国際会議が不得手な日本人
国際会議が不得手な日本人

 一九七一年、キッシンジャーがはじめて中国を訪れ、周恩来首相と会った時の会話が先に公開されました。それによると「中国の視野は世界的だが、日本の視野は狭くて部族的だ」というキッシンジャーに対し、周恩来は「島国ですからね。とても変わっています」と受けています。
 欧米人は差別になりそうなことだと、普通は、こんなホンネを言いませんが、アジア人は、日本人の変な点を遠慮なく批判してきます。たとえばアジアの国際会議に出ると、日本人とでは会議にならないと苦言を呈します。それはどういうことなのか、最近、なるほどと思う経験をしました。
 それは、アジア諸国の環境汚染防止担当者が集まる会議でした。今同は日本が当番国だったので、主務官庁の責任者が最初に会議のねらいを英語で説明しました。ところが、これが絶対に英語には聞こえない英語なのです。スピーチだけ聞いていた私にはまったく意味がとれない一五分でした。他の人はスクリーンに写される原稿のテキストを読んで意味をつかんだようです。それならテキストを配ればよく、スピーチの必要はなかったのです。
 スピーチだけではまったく意味が通じないというのは、日本人が国際会議で行なうスピーチの九割に及ぶと思います。その点でいえば、次に実務報告をした若い担当者の英語は、いちおう英語として通じるものでした。日本も少しは変わったかなと思ったとたん、ショックを受けました。スピーチが終わって質問が出たのですが、質問の英語がまったくわからないし、教えられて意味がわかっても答えられないのです。手をバタバタ、口をパクパクするばかりで、英語が出て来ないのです。スピーチをいちおうこなしただけにめだちました。
 その後私は、メモなし予定原稿なしで「水俣病の科学」について一時間話したのですが、すごい反響でした。タイとベトナムの代表は、講演後「感激した」と言って演台に握手を求めに来ました。そしてぜひわが国に来てほしいと、その場で招待の申出がありました。
 感激したら態度で示すし、よいと思ったら自分の判断で決定する人たちを見て、これでは日本人はとても太刀打ちできないと思いました。
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