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国際文法感覚で作った新日本文法 N文法
I 部 研究の目的と方法
4 単語と関連構造の研究か

4 単語と関連構造の研究

研究の具体的目標
  膠着語としての日本語の文法を作る第1歩として、単語あるいわそれに相当するものの発見と確立につとめる。また第2の目標として、母音調和を特長とするアルタイ語としての日本語の特徴を知るための音韻法則の発見につとめる。


研究の方法  
  できうる限り沢山の実例を集めて分析し、そこから自然に導かれる結論に到達することに固執する。恣意的な前提をもとに理論を作ることはしないのを原則とした。
  この原則でも音韻法則の研究は容易であった。実際、主な関心がある動詞について言えば、一番多い3音動詞については、全数チェックをして音韻法則を抽出できた。
  これに対し、品詞の発見と確立の研究ははるかにむずかしかった。機械的にやると最小単位は「は」、「が」、「に」などの一音になる。ところがそれは、音韻の要素だが、意味の要素にはならない。だが意味の要素は一義的には決まらない。要素を組み立てて文を作る目的には、要素は共通性があって、しかも大きい方がよい。共通最大が決定の原則。でもそれだけでは唯一の答は出ない。さらに原則、仮定を持ち込む必要がある。

日本語の単語確立のための基本原則

「原則」
  日本語文法は国際的文法感覚に従う。
  品詞のうち 名詞と動詞が最重要、日本語でもこれが単語でなければならない。
  しかしこれだけでは唯一解はでない。従来の文法もそうであって、それは唯一解ではないし、不具合も多い。さらに絞るためには、もう一つ原則を加える必要がある。しかしそれは、上の原則のように異論なく受け入れられるものではないので作業仮説とする。その妥当性はそれ自体では検証されないが、それを基礎に作られた文法体系全体が国際文法感覚にマッチする有用なものかどうかで決まるとする。


「作業原則」 
  名詞はロシア語のように格変化をする
  動詞はロシア語、フランス語のように態変化(活用)する

膠着文の分析方法としてのN記号体系による日本文の記号化
  日本文の中に名詞、動詞があり、それが変化することを認めても、名詞、動詞はどこまで広がっているのか、その範囲から取り残された音は、「どんな品詞に分類するのが適当か」を決めるのは難問である。それを地道に解決する方法の手段として、日本文から意味を抜いて構造だけを完全に記述する記号を開発した。つまり名詞、動詞の意味は捨象してM,Dと記すが、その他の音は簡略化するが完全に記述できる記号体系である。これは、中学生でも、原文を読む速さで記号化でき、また逆に記号を見ると名詞、動詞の具体的内容を除けば、原文の字句が回復できるものである。これをN記号体系と呼ぶ。これを適用することによって膨大な文例 ( 約500文例、約15,000字 )の分析を行うことができ、それを通じて、切れ目のない膠着文の中に、単語と品詞分類の確立をおこなうことができた。それによって、膠着文の文法を発見し、提案できた。

  記号体系という分析手段を使って作業することによって、文法を発見できたことになるが、文法とは独立に記号体系があったわけではない。記号体系は、名詞、動詞以外にもいくつかの品詞をふくむ。さらに切れ目ない膠着語文の上に、その品詞が広がっている範囲も正確に規定している。品詞の種類とその広がりについて精密な規定がなければ、記号体系はできない。これらの規定は、文法そのものであるから、文法体系がなければ記号体系はできない。しかし記号体系を使わなければ、膠着語の文法を発見し、確立することはできない。記号体系と文法体系の関係は、このように、根は一つのものでありながら、別のものであり、一方を確立するには、他を必要とする。したがって、まず記号体系があって、それを適用して、文法体系が発見されたのではない。試みとしての記号体系を使って、文法体系について暫定的な結論が得られ、それを使って、記号体系が修正されると言うように、作業は進められ、修正がなくなったところで、作業はおわり、結論となった。

  こうして一応の結論に達した文法と、それに対応する記号体系を N文法、N記号体系 とよぶことにします。

 

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