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国際文法感覚で作った新日本文法 N文法
I 部 研究の目的と方法
5 文構造の研究

5 文構造の研究

5.1 研究の具体的目標
  文法の目的は正しく書くことを助けることと、正しい読解を助けることである。ところが、文法が正しい読解を助ける仕方は文法の特質によって異なる。ロシア語、フランス語のように動詞が人称と数によって厳格に変わる場合は、主文説、複文節がからまった複雑な構文になっても、動詞がどの先行名詞を受けるかは明瞭であり、文構造の理解に曖昧さや間違いが生ずる可能性は少ない。このように国際的文法感覚からすると、文法が読解を助けるのは、文の構造が複雑で、意味の上からは、幾通りかの解釈が可能であるような場合、文法の助けを借りると、一義的に正しい解釈が決まってしまうような場合である。
  普通、人は文の構造を意味の側からつかむが、それでは、文の構造をつかむ意味がない。必要性がわからない。意味を知る前に、文法の側から、比較的単純な文の組み合わせ構造として文の構造が明示されれば、文法が文章理解に役立つと明言できるはずである。
  ここで提案する日本語新文法は、同じことをめざしています。


N記号を用いた文の構造の研究方法 
  国際的文法感覚でいえば、文の構造とは、一つの文を、それ自体は構造単純な独立した文節に分け、それらについて、主文節、前置文節、仮定文節、順接文節、逆接文節、修飾文節、挿入文節などの役割をはっきりさせ、立体的構造を明示することです。屈折語では関係代名詞があるので修飾文節は明白であり、仮定法、接続法では、動詞形が違うのでこの構造関係も明示的に明らかだが、膠着語ではそうではない。そこで、構造分析を本格的にやる必要があるが、そこで困るのは文の構成要素となるものが確定してないことです。屈折語ではこれは動詞を含んだclause(節)と確定しているのにです。
  日本語の場合、動詞を含んだ厳密なclauseを構成要素とすると、これは極端に長かったり短かったりして、それに分解しても意味の理解を助けない。それよりも、日本語独特な分解法として、意味の理解に役立つのは、七・五調です。文章を5音、7音、12音の句に分けることです。こうすると、聴衆の耳には入りやすいが、形式に流れて、意味が伝わりにくい欠点があります。
  文の構造を明らかにするためには、まず文を構成する要素を発見せねばならないが、 日本語の場合は、音韻と意味の両面から最適な要素文を発見する必要がある。ただし意味の検討から要素文を決めたのでは約束違反であって、形式的なルールから割り出された要素文が、意味の上でも最適になるようなルールを探し出さねばならない。
  今回私は、N記号体系を用いて、多数の文例を分析し、音韻と意味の双方から最適となるような要素文への切り方を発見した。その発見にもとづいて、その切り口に対応するN記号が、どのようなものであるか調べた結果、はっきりしたルールを発見できた。次に、機械的にこのルールを適用して文章を切り、その結果が、意味の上からも最適な要素への分解になっているかを調べたところ、満足すべき結果がえられました。

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